CINEMA VOICE × ピンク!!! 坂本礼監督『夢の女 ユメノヒト』

【上映スケジュール】
8/15(月)〜8/19(金) 17:00/19:00

【トークイベント】       
ゲスト 坂本礼監督 佐野和宏さん
8/19(金)19:00上映後にトーク
場所VOICE
水戸市大工町1-6-1ベルスポットビル4F

【予告編】

【About】
福島で40年間、社会と断絶された男と、震災により東京の息子夫婦のもとに身を寄せている女。二人が迎える奇跡の夜が、あたたかな感動を呼ぶ、大人の官能ラブ・ロマン。
今もなお、深い傷が残る福島― 未曾有の惨事と原発の問題を描く良質のフィクションやドキュメンタリーが数多く制作され、数多くの問題を提起してきた。しかし、そんな福島を舞台にした作品群の中で、本作は異色中の異色の存在と言える。惨事を記録する、原発の恐ろしさを訴えるという本来ならば正統的なテーマを意識することなく、ただ初老の男が初体験をした相手に40年ぶりに会いに行く姿を描く。悲劇が日常となった世界で、人が生きる根源を全く違った方向から見つめる内容、しかも官能的な描写と愛らしいラブ・ストーリーは、福島が数多く描かれる今の時代では、ある意味不謹慎なものなのかもしれない。が、そこには監督や脚本家等、作り手の想いが深く刻みこまれている。
監督は前作『乃梨子の場合』が高い評価を得た坂本礼。主演は『バット・オンリー・ラヴ』で監督としても復帰が話題の佐野和宏。3人のヒロインには、その可憐さで数多くのインディー映画やピンク映画を長年支えてきた伊藤清美、『乃梨子の場合』では主演を務めた西山真来、新鋭・和田華子が出演。脚本は中野太『さよなら歌舞伎町』(荒井晴彦氏と共作)。

【Story】
永野(佐野和宏)は心の病で40年間、精神病院に入院していた。ところが、3.11東日本大震災の避難中、彼がとっくに完治していることがわかり、皮肉にも震災がきっかけで、ようやく外の世界に戻ることができた。10代から50代を病院で過ごした永野は完全な浦島太郎状態だったが、心は、遠い昔、初めて経験をしたあの人に会いたいという想いでいっぱいだった・・・

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【Cast】
佐野和宏 (永野役)
1956年、静岡県生まれ。映画監督・脚本家・俳優。監督作は、自ら脚本を執筆し主演するというスタイルを貫く。ドラスティックでメッセージ性の強い作品を作る作家として評価されピンク四天王の一人として挙げられている。1989年「監禁 わいせつな前戯」で監督デビュー。ピンク映画を活動拠点の中心に15本の監督作品を制作。監督としては、1997年「熟女のはらわた 真紅の裂け目」以降、制作から遠ざかっていたが、2016年『バッド・オンリー・ラブ』で18年ぶりに監督で復活、注目を集めている。俳優としては、明治大学在学中から松井良彦監督の『追悼のざわめき』(主演)や『どこに行くの?』、石井聰亙監督の『狂い咲きサンダーロード』などに出演。2011年、咽頭がんを患い、声帯を失う。

伊藤清美 (幸子役)
1959年、北海道生まれ、前衛劇団『発見の会』に衣裳係として参加、ヌードモデル等の仕事もする中、大蔵映画の小川和久監督の助監督をしていた細山智明監督と出会い、ピンク映画女優としてデビューする。以降、『きらい・じゃないよ』や姉妹編的な『きらい・じゃないよ2』など自主映画・一般映画にも進出。『映画芸術 434号』(映画芸術社)においては映画の論評を載せるなど文才も見せている。雑誌にはコラムも書いており、可愛金魚名義で官能小説の執筆もしている。近年の映画出演作は『ヘヴンズ ストーリー』、『青二才』、『乃梨子の場合』などがある。

和田華子 (葵役)
1988年青森生まれ、京都造形芸術大学舞台芸術学科卒業後、フリーの俳優として、舞台を中心に活動中。 ニットキャップシアター『さらば箱舟』 、F/T13『石のような水』、趣向『奇跡の年』、劇団野の上『東京アレルギー』岡崎藝術座『イスラ!イスラ!イスラ!』などに出演している。

西山真来 (風子役)
1984年、京都生まれ。神戸大学在学時より劇団『象、鯨。』を主宰。解散後、『へばの』(木村文洋監督)、『面影~omokage』(万田邦敏監督)、『おだやかな日常』(内田伸輝監督)、『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』シリーズ(白石晃士監督)『新しき民』(山崎樹一郎監督)などの映画に出演。その他、『リーガルハイ』や『好好!キョンシーガール』などTVドラマやマレビトの会、鳥公園、維新派の演劇など。2015年の坂本礼監督の前作『乃梨子の場合』ではヒロイン役を務めている。

【Staff】
監督:坂本礼

1973年、東京都江戸川区生まれ。日活芸術学院在学中にピンク映画の現場に助監督として参加。その後、国映株式会社の助監督として、瀬々敬久監督、サトウトシキ監督に師事する。1999年『セックス・フレンド 濡れざかり』で、監督デビュー。主な監督作として、『ふ・た・ま・た』(成人館タイトル『悶絶ふたまた 流れる愛液)、『背徳に溺れて』(成人館タイトル『いくつになってもやりたい不倫』)など。2014年の前作『乃梨子の場合』では、有名作家、劇場主催の映画祭より高い評価を得ており、今注目の映画監督である。

脚本:中野太
1968年、新潟県生まれ。中央大学文学部哲学科卒。シナリオ作家協会シナリオ講座修了後、荒井晴彦氏に師事。1998年、ピンク映画『黒と黒』で脚本家デビュー。主な脚本作品/06『愛妻日記より~饗宴~』監督:緒方明、09『背徳に溺れて』(シナリオ・タイトル『幸福』/成人館タイトル『いくつになってもやりたい不倫』)監督:坂本礼、11『魔法少女を忘れない』監督:堀禎一、13『戦争と一人の女』(荒井晴彦氏と共作)監督:井上淳一、15『さよなら歌舞伎町』(荒井晴彦氏と共作)監督:廣木隆一などがある。

佐野和宏 伊藤清美 和田華子 西山真来
小林節彦 川瀬陽太 吉岡睦雄 櫻井拓也 伊藤猛
脚本:中野太 監督:坂本礼
企画:朝倉大介 プロデューサー:森田一人 高津戸顕 朝倉庄助
撮影:鏡 早智 録音:弥栄裕樹 編集:蛭田智子
楽曲提供:宇波 拓 MA:シンクワイヤ

2015年/日本映画/71分/カラー/ビスタ/ドルビー/デジタル上映/15歳未満鑑賞禁止
○CV☆パラダイス、インターフィルム、KOKUEI
配給:インターフィルム
公式ホームページ: http://www.interfilm.co.jp/yumenohito/