『バンコクナイツ』

歴史に翻弄された一人の娼婦を軸に描かれる禁断のラブストーリー

【上映スケジュール】
9/18(月)~9/22(金)18:00
9/23(土)15:00
上映後、相澤虎之助さん(共同脚本)トーク付き

【予告編】

【Introduction】
本作は、前作『サウダーヂ』で、地方都市のリアルを赤裸々に炙り出し話題となった、映画制作集団「空族」の最新作。構想10年。舞台を山梨からタイに移し、テーマを“娼婦・楽園・植民地”に据え、出会った現地の人々との交流により生まれた物語は重層的に響きあう182分の映画として完成した。今までカメラが入り込むことができなかった、一大歓楽街タニヤでの撮影を敢行。更にはバンコクからイサーン(タイ東北地方)、そしてラオスへの、総移動距離4000kmを優に超える撮影にも挑んだ。イサーンの伝統音楽モーラム、ルークトゥン、プア・チーウィット…“抵抗”の音楽にのせて空族がお贈りする、アジア版「千夜一夜物語」―。いわゆる日本映画という枠を大きく超え、アジア映画とでも呼ぶべきスケールと貫禄が観るものを圧倒する。まったく未知の風景が郷愁を誘う。 “アジアの中の日本”にとっても他人事でない「楽園の真実」がここにある。

【Story】
タイの首都、バンコク。日本人専門の歓楽街タニヤ通りの人気店、「人魚」でNO.1のラックは、イサーン(タイ東北地方)からバンコクへ出稼ぎに出て5年が経った。日本人のヒモ、ビンを連れまわし高級マンションで暮らす一方、ラックの支える大家族は、遥かラオスとの国境を流れる雄大なメコン川のほとり、ノンカーイ県に暮らしていた。確執が絶えない実母ポーンと今は亡きアメリカ軍人だった2番目の父との息子、ジミー。ラックは種違いの弟ジミーを溺愛している。ある晩、謎の裏パーティーで、ラックは昔の恋人オザワと5年ぶりに再会する。ノンカーイから出て来たてだったラックの初めての恋人がオザワだった。元自衛隊員のオザワは、今では日本を捨てバンコクで根無し草のようにネットゲーム で小銭を稼ぐしかない沈没組。オザワがラックに会うには金がいる。戸惑うふたり…。そんな折、オザワはかつての上官で、現在はバンコクで店を営む富岡にラオスでの不動産調査を依頼される。かくして、いくつもの想いを胸に秘めたラックとオザワは、バンコクを逃れるように国境の街ノンカーイへと向かうことになったが…古来、国境紛争に翻弄され続けたイサーン。物語はその雄大な“イサーンの森”の闇の奥へ、舞台はやがてラオスへと、かつてインドシナを深く抉ったベトナム戦争の癒えぬ傷を映しはじめる―。

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監督:富田克也/脚本:相澤虎之助、富田克也/撮影・照明:スタジオ石(向山正洋、古屋卓麿)/録音:山﨑巌、YOUNG-G/DJs:SOI48、YOUNG-G/ラインプロデユーサー:長瀬伸輔/助監督:河上健太郎/VFX:定岡雅人/スチール:山口貴裕/コ・プロデューサー:大野敦子、筒井龍平、フィリップ・アヴリル、アピチャ・サランチョン、ドゥアンメニー・ソリパナン、マチエ・ドゥー/アソシエイト・プロデューサー:小山内照太郎/宣伝:岩井秀世、佐々木瑠郁/製作:空族、FLYING PILLOW FILMS、トリクスタ、LES FILMS DE L’ÉTRANGER、BANGKOK PLANNING、LAO ART MEDIA
◆キャスト:スベンジャ・ポンコン、スナン・プーウィセット、チュティパー・ポンピアン、タンヤラット・コンプー、サリンヤー・ヨンサワット、伊藤仁、川瀬陽太、田我流、富田克也
2016 年/日本・フランス・タイ・ラオス/182 分/DCP/配給:空族

【ゲストプロフィール】

ゲスト写真
相澤虎之助(空族)
1974年埼玉県生まれ。早稲田大学シネマ研究会を経て空族に参加。監督作、『花物語バビロン』(’97)が山形国際ドキュメンタリー映画祭にて上映。『かたびら街』(’03)は富田監督作品『雲の上』と共に7ヶ月間にわたり公開。空族結成以来、『国道20号線』(’07)、『サウダーヂ』(’11) 『チェンライの娘』(’12)、『バンコクナイツ』(’16)と、富田監督作品の共同脚本を務めている。自身監督最新作はライフワークである東南アジア三部作の第2弾、『バビロン2-THE OZAWA-』(’12)。

「なんかヤバイ映画らしいよ。と友人から教えてもらったのがもう10年前。え?観てないの?観なきゃヤバイよ~と何だかホント観ないとヤバそうな雰囲気があったのを覚えている。地元のヤバイ先輩がなんかヤバそうなことやってるから観にいこうぜ的な感じだった。実際に観てみると本当にヤバイ。何がどうとか語るのが全て野暮に思えるくらいにカッコイイ。それが今回も飛び切りヤバイ。とりあえず観てからこのヤバさについて一緒に話したい。」プログラマー鈴木洋平